鼠径ヘルニア手術と性機能

CQ25-1 鼠径ヘルニア手術は性機能に影響を与えるか?

Answer 

鼠径ヘルニア手術は性行為中の鼠径部痛や射精障害等の性機能障害を改善させる。メッシ

ュ法は男性不妊の原因とはならない(推奨グレードB)。

解説

 性行為中の鼠径部痛や射精障害等の性機能障害はそけいヘルニア患者の2.4~23.2%に認められ、臨床的に重要な問題である。術後に性的機能障害の頻度は1.0~6.0%に減少するとされる。

 一方、術前性行為中に疼痛がなかった2.3%で術後に中等度から重度の(VAS4-10)疼痛が出現との報告もあり注意を要する。術中の神経損傷や慢性疼痛をきたす神経の配置が、発生の原因とされ、病理学的には繊維化による精管の巻き込みや神経損傷による慢性疼痛状態とされる。使用するメッシュはligtweight meshが良いとされる一方、精子運動性はむしろ低下との報告もある。

 精巣機能についてはFSH、LH、血清テストステロン・レベルに影響を与える可能性はあるものの、精巣容積、血流についてはメッシュの使用による影響は少ない。メッシュの配置位置(前方、後方)も精巣血流には影響せず、精子形成機能に差は認められない。メッシュの使用による男性不妊の可能性については両側手術の場合リスクがやや増加するものの無関係である。

【総合外科医の目】

手術後にはいつ頃から性行為をして良いだろうか? の質問にお答えします。

通常、腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術の後、

 1週間後には ゴルフ程度の運動

 3週間後には 力仕事可能(フリー:制限なし) と説明しております。

さて、性行為とはどの程度の運動になるでしょうか?

 『マスターベーションであれば、術後数日で再開しても構いませんが、性交渉に関してはできれば3週間程度(すなわち力仕事相当)控えて頂いたほうがよろしいのではないかと考えます』

 『以前に、性交渉に際してきんだ結果、お臍から内蔵が出てきてしまった(腹壁ヘルニア)』症例を経験しました。

 術後の患者様皆に共通するわけではありませんが、可能であれば術後早期の性交渉をお控えいただければ と考えます。

 MAHALO

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