CQ27 特定な患者への治療-重篤な基礎疾患を有する患者における鼠径部ヘルニア修復術の注意点は何か?
Answer
ワーファリン服用中患者では血腫をきたしやすい(エビデンスレベルⅢ、Ⅳa)。
血液凝固異常患者の術後血腫予防において、海外ではヒトフィブリン糊の使用が有用との
報告があるが(エビデンスレベルⅡ)、本邦での保険適応は認められていない。
肝硬変合併患者においては統一された見解がなく(エビデンスレベルⅠ~Ⅳa)、慎重な適応
が必要である(推奨グレードC1)。
CQ27-1 ワーファリン服用中患者への鼠径ヘルニア修復術は安全に施行できるか?
Answer
ワーファリン服用中患者では血腫をきたしやすい(エビデンスレベルⅢ)。
解説
ワーファリン服用中の鼠径ヘルニア手術患者において継続群、他の抗血栓薬への変更軍
では、中止軍と比較して血腫をきたしやすい傾向にあったが、有意差は見られなかったPT-
INRを指標とした報告では、PT-INR>3で血腫が有意に発生した。