CQ18 成人鼠径部ヘルニア修復術に対して推奨される麻酔法は何か?
Answer
術後合併症(尿閉)の回避および術後鎮痛や早期回復などの短期的視点に限ると、局所麻酔が全身麻酔や脊髄くも膜下麻酔より推奨される(推奨グレードB)が、晩期合併症に関する長期的視点では各麻酔法に差はない(エビデンスレベルⅡ)。
CQ18-1麻酔後合併症抑制においては有用な麻酔法は何か?
Answer
麻酔法別(局所麻酔、脊髄くも膜下麻酔、全身麻酔)の比較においては早期合併症(尿閉)の予防に関しては局所麻酔が優れるが、晩期合併症は差がない(エビデンスレベルⅡ)。
解説
局所麻酔が有用である術式はLichtenstein法であるとの報告が最多であった。
術後の創部の合併症に関して全身麻酔、局所麻酔には差がない。
術後の呼吸抑制は全身麻酔が脊髄くも膜下麻酔、局所麻酔に比較し有意に多いが、呼吸器合併症の発生頻度に差がない。
*局所麻酔のみで確実に実施できるのは鼠径部切開法の前方到達法のみではないであろうか。ALOHA外科クリニックの選択する麻酔はTAPPであれば全身麻酔(もちろん局所麻酔併用)、Lichtenstein法であれば局所麻酔 と至ってシンプル。