gentle, gentle, gentle
『ゾリンジャー 外科手術アトラス』
言わずとしれた、外科手術書の定番です
残念ながら、私は訳本しか持っておりませんが、今後是非原著を手元に置きたいと考えております
ただし、訳本のお陰で、訳者である 安達洋祐先生の指導が加わります
残念ながら私は面識ありませんが、翻訳当時は久留米大学准教授・外科学であり、現在は久留米大学医学部医学教育研究センターの教授・統括責任者をされているようです
流石に、この本の随所に教えが盛り込んでいると思います
訳者の序より
「ゾリンジャー」には、合併症を避ける安全第一の手術手技が記載されています.例えば「丁寧に(gently)」という言葉は99ヶ所、「注意して(carefully)」という言葉は163ヶ所に使われています.
私が外科留学を目指し見学に伺わせていただいたST Fan教授(Queen Mary Hospital)も手術中に “gentle, gentle, gentle” と仰られておりました
「ゾリンジャー」の源流はアメリカ外科学の元祖ハルステッド(もちろん、あのHalsted手術の)ですが、ハルステッドが提唱した「丁寧な手術」(gentle surgery)は
- 組織の丁寧な扱い(gentle handling of tissue)
- 確実な止血(accurate hemostasis)
- 解剖に沿った鋭的剥離(sharp anatomical dissection)
- 出血のないきれいな術野(clean & dry field)
- 集束結紮の回避(avoidance of mass ligation)
- 細い縫合糸(fine suture material)
です
このような大原則を常に考えて 外科医は手術に望むべきでしょう