『総合外科医』に関する一考

近年、「総合内科」や「総合内科専門医」という言葉をよく耳にするようになりましたね.

日本内科学会のHPから下記資料を添付します.内科のHPは充実した文章が多く、全て読んで頂くのが難しければ、注目していただきたいところを赤文字や下線にしています.

(以下、日本内科学会のHPより抜粋)

「総合内科専門医」の医師像

  1. 「総合内科専門医」の基本的考え方

日本内科学会会員(日本の内科医)の構成は,開業医(診療所・医院),一般病院(内科subspecialtyの専門科の総てが揃っていない病院)勤務医,基幹病院・大学病院勤務者と続く。一方で,総合内科専門医の約半数は一般病院勤務医で,概ね残りの半々が医院・クリニック(すなわち1人で日常診療を行なっている医師)と大学病院・基幹病院勤務である。日本での医療の現実は,基幹病院・大学病院に紹介されるsubspecialtyの専門医の診療を必要とする患者でも,その殆どが医院・クリニック,または一般病院での診療が先行する。診療領域によっても異なるが,現在の高齢化社会では全身の多臓器に問題を持つ患者は決して少数ではないこともあり,特に,基幹病院・大学病院へのアクセスが悪い地方の診療では一般・総合内科の診療が重要な要素となる。すなわち,患者の受ける医療サービスの質および基幹病院・大学病院での診療レベルですら,医院・クリニック,一般病院の医療レベルが決めていると言っても過言ではない。勿論,基幹病院・大学病院のsubspecialtyの高度な医療の質も重要であるが,医院・クリニック,一般病院の一般・総合内科専門医との連携を含めた総合的な医療ネットワークの効率的運用は日本の医療レベルの向上,医療費の効率的使用の上で重要である。

「総合内科専門医」の意義の一つはこのような医療ネットワークの要としての一般・総合内科専門医の指導医としての資質(キャリアー)の証明であり,「認定内科医」の実力がさらにレベルアップするための目標と考えられる。将来的な診療所・医院,一般病院勤務医の候補者である内科系の研修医は,subspecialtyの専門医と同時に,「総合内科専門医」も目標とすべきである。

すなわち,「総合内科専門医」は,医院・クリニック,一般病院,基幹病院・大学病院を連携する内科系診療のネットワークの共通基盤としての一般・総合内科の知識・技術・判断力・人間性・経験(キャリアー),指導能力の証である。また,基幹病院・大学病院での「総合内科専門医」は,学生・研修医に対して,臓器からの視点のみでなく全身を機能的にみる教育者や,一般内科的研究領域の研究者・指導医としての重要な役割を持っている。このように,「総合内科専門医」の置かれている診療現場によって,「総合内科専門医」に求められる具体的医師像が異なることこそが,generalityを基盤にする「総合内科専門医」の特徴・本質である。

日本内科学会の大きな役割の一つは,日本の大学病院・基幹病院,一般病院,かかりつけ医などで構成される医療ネットワークの根幹としての一般・総合内科専門医のレベルアップであり,そのレベルアップの証として「総合内科専門医」を位置づけるべきである。

  • 「総合内科専門医の医師像」
    今日の国民が求める医師像である
    【1】患者の身になって対応できる豊かな人間性
    【2】患者の問題解決に貢献する能力
    【3】世界基準に適う医学知識・技術
    【4】独創的な研究能力を備える内科医
    として,以下の具体的医療活動で役割を果す。
    • 高レベルな横断的能力を有した一般・総合内科の専門医・指導医
      • 国民医療の大きな課題となっている内科的慢性疾患に対して,地域において,常に患者と接し,生活指導まで視野に入れた良質な健康管理・予防医学と日常診療を任務とする高レベルの一般・総合内科専門医(かかりつけ医)。
      • 内科系急性・救急疾患に対してトリアージを含めた適切な対応が可能な地域での内科系一次救急医療の専門医・指導医。
      • 高次救急病院・高度先進病院での内科系診療で,内科系の全領域に広い知識・洞察力を持ち,身体・精神の統合(全身)的・機能的視野から診断・治療を行なう能力を備えた一般・総合内科(generality) の専門医・指導医。subspecialtyの高度な専門性(specialty)と一般・総合内科(generality)の連携が必須な医療チームにおいて,subspecialty専門医との連携,またはsubspecialtyの専門医を兼ねる形で高度・先進医療にも関与する一般・総合内科側の要としての指導医・チームリーダー。
    • 卒前教育,研修,生涯教育の担い手としての一般内科の専門医・指導医
      内科領域の卒前教育,プライマリーケア能力の習得を目的とした初期臨床研修制度における内科系教育,認定内科医を総合内科専門医にレベルアップするための一般・総合内科の後期研修,内科系各subspecialtyの後期臨床研修・専門医教育,内科系医師の生涯教育などの総ての内科系医師教育・研修において,subspecialty的視野でなく,全人的・機能的視野から診断・治療についての教育が可能な教育・指導医。すなわち,卒前・卒後教育,生涯教育における一貫した一般・総合内科教育の担い手およびプランナー。
    • 臨床医学の横断的領域として内科学を総合的に捉える研究者
      臨床(内科)診断学,臨床判断(決断)法,臨床疫学,臨床薬理学,医療倫理学,医療経済学,医療社会学などの内科における横断的・統合的領域の研究・教育能力を有する専門医・研究者。

 以上の観点から,総合内科専門医は,地域医療,外来診療にあってはレベルの高い一般・総合内科専門医,病棟においては患者の診断,治療において総合的に判断できるレベルの高いホスピタリストとして,地域医療ネットワーク,病院内の医療チームの要として機能する一般・総合内科の指導医である。さらに,これらを実践できる医師の教育や方法論研究を担える能力を有する教育医・研究医・指導医であると纏められる。

ところで『総合外科』という言葉はあるのか?

最近、インターネットで検索すると、総合病院などで少しずつ『総合外科』という言葉を見かけるようになってきました.

また、島根大学医学部の総合医療学講座では、消化器外科・皮膚科・泌尿器科の指導教官のもと、地域における外科医不足を補うべく、基礎的技術指導から高度な外科手術機能を実践教育として人材育成しているとのことで、今後が楽しみです.

ここでは日本内科学会の「総合内科専門医の医師像」をプラットフォームに『総合外科専門医の医師像』を考えてみました.

【1】患者の身になって対応できる豊かな人間性
【2】患者の問題解決に貢献する能力
【3】世界基準に適う医学知識・技術
【4】独創的な研究能力を備える外科医
 そして具体的な役割は

Ⅰ.高レベルな横断的能力を有した外科の専門医・指導医

A 国民医療の大きな課題となっている外科的一般疾患に対して,地域において,常に患者と接し,生活指導まで視野に入れた良質な健康管理・予防医学と日常診療を任務とする高レベルの外科専門医(かかりつけ医 ではなく かかりつけ医との連携医).

B 外科系急性・救急疾患に対してトリアージを含めた適切な対応が可能な地域での外科次救急医療の専門医・指導医。

C 高次救急病院・高度先進病院での外科系診療で,内科・外科系の全領域に広い知識・洞察力を持ち,身体・精神の統合(全身)的・機能的視野から診断・治療を行なう能力を備えた外科の専門医・指導医。subspecialtyの高度な専門性(specialty)と内科・外科の連携が必須な医療チームにおいて,subspecialty専門医との連携,またはsubspecialtyの専門医を兼ねる形で高度・先進医療にも関与する外科の要としての指導医・チームリーダー。

Ⅱ.教育,研修,生涯教育の担い手としての外科の専門医・指導医

Ⅲ.医学の横断的領域として外科学を総合的に捉える研究者

 以上の観点から,総合外科専門医は,地域医療,外来診療にあってはレベルの高い一般・総合内科専門医,病棟においては患者の診断,治療において総合的に判断できるレベルの高いホスピタリストとして,地域医療ネットワーク,病院内の医療チームの要として機能する一般・総合内科の指導医である。さらに,これらを実践できる医師の教育や方法論研究を担える能力を有する教育医・研究医・指導医であると纏められる。

となります.

これを要約すると、『総合外科医』は

 医師として、人として、意を持って患者に対応し、外科学を中心に医学を探求し、外科学を実践する

 具体的には 

 外科的一般疾患に対して 急性・救急疾患に対してトリアージを含めた適切な対応を実施できる.内科・外科系の全領域に広い知識・洞察力を持ち,身体・精神の統合(全身)的・機能的視野から診断・治療を行なう能力を備え、subspecialty専門医との連携,またはsubspecialtyの専門医を兼ねる形で高度・先進医療にも関与する外科医

ということになります.

そのためには、何が必要でしょうか?

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